中小企業のほうが助成金をたくさんもらえるんです!
助成金は、大企業が申請するよりも中小企業が申請したほうがより多くの金額を貰えることをご存知でしょうか?
格差社会ですから、人・モノ・カネ・情報がたくさん集まる大企業はいろいろな意味でスケールメリットがありますが、中小零細企業に至っては、職場の環境を改善したり、人の教育をしたいと思ってもなかなか場所も、時間も、お金も、スキル、人材もないというのが実情です。
概ね劣悪な環境の下で事業をスタートすることが多く、最初から経営資源の何もかにもが揃っていてスタートできる企業はごくごく会議られていると思います。
ですから、いろいろなことで悩んだり、困っていたりする中小零細企業の経済的支援をするために、労働関係の助成金などが各種用意されているのです。
ところで、助成金申請でいう中小企業の定義というものをご存じでしょうか?
中小企業基本法での中小企業の定義
大企業だとか、中小企業だとかいう言い方を我々は良くするのですが、大企業と中小企業の線引きつまり、「中小企業の定義」というものが中小企業基本法で定められています。
中小企業基本法では、中小企業の定義は、産業分類ごとに資本金の額・出資の総額及び常時雇用する労働者の数などが決められています。
産業分類ごとに決められていますので、どのような定義がされているかを知って、あなたの職場がそれに該当するかどうかを確認することが助成金申請では重要になります。
建設業、運輸業、農林漁業、電気・ガス業及びその他の業種
・資本金の額・出資の総額 3億円以下
・常時雇用する労働者の数 300人以下
小売業(飲食店を含む)
・資本金の額・出資の総額 5000万円以下
・常時雇用する労働者の数 50人以下
サービス業
・資本金の額・出資の総額 5000万円以下
・常時雇用する労働者の数 100人以下
卸売業
・資本金の額・出資の総額 1億円以下
・常時雇用する労働者の数 100人以下
資本金の額・出資の総額と常時雇用する労働者の数との関係
あなたがラーメンのチェーン店をやっている経営者だったとしますと、資本金の額・出資の総額が5000万円以下であり、常時雇用する労働者の数が50人以下でなければならないのか?ということが問題になると思います。
例えば、資本金が1000万円で、常時雇用する労働者の数が130人ぐらいいたとしたらどうなんだろう??と思うかもしれません。
資本金の額・出資の総額と常時雇用する労働者の数との関係は、両方を同時に満たしていることが条件ではありません。
つまり、どちらか一方を満たしていれば問題ありませんから、資本金が1000万円で、常時雇用する労働者の数が130人ぐらいのラーメンチェーン店も中小企業として認められるということです。
更に付け加えますと、個人事業主でも中小企業として助成金申請をすることができることは覚えておいても損はないと思います。
常時雇用する労働者とは?
問題となるのが「常時雇用する労働者」という文言です。
正社員がこの「常時雇用する労働者」に該当するであろうことはお分かりいただけると思いますが、では派遣社員だとか契約社員だとか、1日5時間勤務で週に5日勤務のパートさんや土日祝日に入る学生アルバイターなどはどうなんだ?などということになると思います。
1年以上働いている派遣社員、契約社員、パートさんやアルバイターはもちろん1年以上働く予定がある方々もこの「常時雇用する労働者」に入るということです。
厚労省の助成金リーフレットによれば次のようなことが書かれていますので、参考にしてください。
「常時雇用する」とは、雇用契約の形式の如何を問わず、事実上期間の定めなく雇用されている場合をいい、具体的には、
@期間の定めなく雇用されている場合
A一定の期間を定めて雇用されている場合であって、その雇用期間が反復更新されて事実上@と同等と認められる場合
B日々雇用される場合であって、雇用契約が日々更新されて事実上@と同等と認められる場合が挙げられます。
よって、パートタイム労働者であっても、「常時雇用される」と判断されれば、労働者数に含まれます。
ここで問題となるのが、「常時雇用される労働者」が10人いる場合は、事前に就業規則を作成して備え置いておかないと労働基準法に違反することとなり、助成金の申請ができなくなるということになります。
「知らなかった!」では済ませられないのが法律の世界です。
違反を犯そうとする意思がなくても、知らないばかりに労働関係法に違反しているということがあり得るのです。
そもそも助成金は、弱い企業の支援をするだとか助ける意味のお金です。
ここを踏まえて、「しっかりともらえるものはもらう」という姿勢も重要です。