ラーメン店「●●」の書類送検の事例にみる外国人留学生を雇う時の注意事項とは?
2018年の3月に、有名なラーメンチェーン店である「●●」が、大阪市内の店舗で外国人留学生を法定時間(週28時間)を超えて働かせたとして、大阪府警は、社長や労務担当責任者の女性、店長ら計7人と、法人としての同社を出入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで書類送検しました。
(3日で分かれば、行政書士などいりませんバイ!)
社長については、雇用対策法違反(外国人雇用の無届け)の疑いでも書類送検しました。
大阪府警によると、社長らは昨年の9月から11月にかけて、大阪市の「●●」2店で雇っていたベトナムや中国からの20〜27歳の留学生計10人を、出入国管理法が定める週28時間を超えて働かせた疑いなどがありました。
最長で週39時間以上働き、月21万円を得た留学生もいたのだそうです。
また社長は、留学生を雇ったにもかかわらず、名前や在留期間などをハローワークに届け出なかった疑いがありました。
社長は、不法就労について「把握していなかったが自分の責任」と容疑を認め、外国人雇用の届け出は「法律を知らなかった」と話していたそうです。
店長らは「サービスを維持するために人手が必要だった」「約500人のアルバイトの勤務を管理できず、確認もできない状態だった」などと話していたそうです。
●●の広報担当は、取材に「アルバイトのシフトを把握できていない甘い部分もあった。留学生の労働時間が週28時間を超えないよう、全店を挙げて徹底していく」と話した。
朝日新聞デジタルより https://www.asahi.com/articles/ASL363H8BL36PTIL00Q.html
結局、この事件は不起訴処分となりました。
●●の書類送検から学ぶべきこととは?
周知のように、小売業やサービス業は慢性の人手不足に悩んでおり、大手のスーパーやあなたがお住まいの近くのコンビニなどでも外国人留学生のアルバイターは今日珍しくもありません。
今回の●●の書類送検の事例から、今現在外国人留学生を雇用している飲食店やサービス業の経営者や責任者、これから外国人を雇い入れようとする経営者や責任者は何を学ぶべきなのかについて考えてみました。
基本的に外国人留学生は就労不可なことをご存知でしょうか?
留学生はあくまで日本に教育を受ける目的で来日しているのであり、アルバイトをするために来日しているわけではありません。
とは言え、生活費を稼ぐ必要がある方も多く、「資格外活動」の許可を受けることで、週28時間まで働くことが出来るのです。
学校の長期休業期間中(夏休みなど)は風俗営業を除いて、1日8時間以内であれば就労することが出来ます。
建設現場での単純労働をすることもできます。
経営者、管理者は留学生の「資格外活動許可証」の確認を怠ってはダメ!!
経営者、管理者は外国人留学生をアルバイターとして採用する前に、不法就労の助長とならないように、資格外活動許可状況をしっかりと確認する必要があります。
どうやって確認するのかと云うと、次の2つのうちのどちらかで確認できます。
・外国人留学生が持っているパスポートの許可証印
・資格外活動許可証
採用後は、「外国人雇用状況届出書」を所轄のハローワークに提出して、留学生の労働時間が残業時間を含めて、週28時間を超えないように、厳密に労働時間管理を行う必要があるのです。
※週28時間労働に関する起算日は、就業規則に定めがない場合は、月をまたぐ場合であっても、日曜日からとなります。
留学生の資格外許可と週28時間の労働時間管理だけで大丈夫??
実は外国人留学生の中には掛け持ちで、つまりWワークで働いていることを内緒にしているケースもあるのです。
コンビニとラーメン屋のWワークであっても、週に28時間までなことに要注意です。
更には外国人留学生が、学校を卒業したり退学したときは、留学生ではなくなりますから、資格外許可では働くことが出来なくなるのです。
●●の事例では、専門学校を除籍された後も●●で不法就労していたらしいのです。
このように、雇う会社側も知らないうちに、不法就労を助長するということにもなりかねません。
現在では知らないことに過失がない場合を除いて、不法就労に関しては処罰されます。
「学生がまさか退学していたなんて・・・、知りませんでした!」は、通用しません。
外国人留学生を雇ってから注意すること
重要なことは、外国人留学生を雇う時に、
・申請内容に虚偽ないことの誓約書
・虚偽が発覚した後は即時解雇する内容を踏まえた労働契約書作成
・・等々を行うことが必要になると思います。
経営者、責任者は、定期的に資格外活動許可証や学生証をチェックする必要があります。
外国人留学生をアルバイターで雇う時でも、十分気をつけねばならないことがお分かりでしょうか?
くれぐれも、不法就労助長などとならぬように気を付けてくださいね!