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消費者契約法改正に見る消費者保護法制の規制強化

消費者契約法改正法に見る消費者保護法制規制強化の流れ

企業と個々人における商品や法知識等々の情報格差の弊害をなくすために作られた消費者契約法が改正され2019年6月より施行されることになりました。

 

 

そもそも消費者契約法は、民法の「契約自由の原則」に歯止めをかけた特別法であり、従来は、かなりアバウトな捉え方ができる法律でしたが、今回の改正でかなり細かいところまで立ち入って個別具体的な規制を加えているのが特徴です。

 

 

消費者契約法改正のポイント!

 

 

どのような部分が変わったのかを解説いたしますと、大きく3つ変わっています。

 

 

★1 取り消しができる不当な勧誘行為

 

1 社会生活上の経験不足を利用した不当な勧誘

 

A 不安をあおる告知

 

就活中の学生の不安を知りながら、「このままでは一生成功しない、この就職セミナーが必要」と勧誘

 

 

 

 

B 恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用(いわゆるデート商法)

 

 

相手の恋愛感情を上手く利用して、「契約してくれないと関係を続けない」と告げて勧誘

 

 

C 加齢または心身の故障者に対し、生計・健康その他の事項に関し不安をあおる商法

 

 

D 霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見で不安をあおる  商法(霊感商法)

 

2 契約締結前に債務の内容を実施するなど

 

A 注文を受ける前に消費者が必要な寸法にさお竹を切断して代金を請求するなど。

 

 

3 不利益事実の不告知の要件緩和

 

A 「日あたり抜群!」などと説明しながら、すぐ隣にマンションが建つことをワザと告げず、マンションを販売する
⇒故意要件に重過失を追加

 

 

★2 無効となる契約条項の追加等

 

1 消費者の後見等を理由とする解除条項

 

A 「賃借人が成年後見人になった場合、直ちに賃貸人が契約を解除することができる」という契約は無効

 

2 事業者が自分の責任を自ら決める条項

 

A 「当社が過失あることを認めたときに限り、当社は損害賠償責任を負う」などと云う契約は無効

 

 

★3 事業者の努力義務の明示

 

1 条項の作成 
解釈に疑義が生じない明確なもので平易なものになるように配慮

 

2 情報の提供
個々の消費者の知識及び経験を考慮した上で必要な情報を提供

 

 

以上は、消費者庁の消費者契約法の一部を改正する法律から抜粋。

 

 

消費者保護法制規制強化のトレンド

 

 

今回改正が行われた消費者契約法に限らず、景品表示法、特定商取引法、割賦販売法なども改正されています。

 

 

労働法におきましても、ある広告代理店の女性の過労死自殺を契機に行政の目は一段と厳しくなっていることは、周知のとおりです。

 

強い立場の者が、弱い者をいじめる社会構造に歯止めを掛ける法整備と監視がこれからも加速されると推定致しますし、そうでなければならないとも思っています。

 

 

なので、今後も消費者保護の観点から、新たな問題が発生して社会問題となるたびに、個別具体的なそれを規制する法規制が行われるとも推定いたします。

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